第一期としてできること
キャリア支援部会は、「学生のキャリア形成、社会へと羽ばたく力を身に付けることを支援」をモットーに、キャリア教育の実施や就職活動の支援を行っている組織だ。今年度からそこに学生が加わり、学生委員として活動することになった。2年生6人、1年生3人の9人のメンバーが集まり、はじめに悩んだのは「自分たちの存在意義」であった。キャリア形成についての知識がほとんどなく、就職活動が本格的に始まるであろう時期までまだ時間がある私たちが、キャリア支援部会でできることは何か、達成したいことは何か。前年度の資料も無いなかでの話し合いはなかなか進まなかった。しかし、私たち9人には、「就職活動をするのは怖い、不安、分からない」という共通意識があった。そして、私たち以外の多くの学生も、恐らく同じような思いを抱えているだろうと想像した。就職活動について知りたいけれど、一歩踏み出せない。先入観で自らを就職活動から遠ざけている。ならば私たちがそんな仲間たちに寄り添いながら、共にキャリア形成の方法を学んでいきたい。そんな思いで、「就活に対して不安を抱えている学生に就活に関する情報を発信し、就活を身近に感じてもらう」「自分の将来を築いていくきっかけを提供する」ことを目的に、キャリア支援部会学生委員、第一期生の活動がスタートした。
(国際教養学科2年 永野涼/福岡県立筑紫丘高等学校出身)
福女生が”後悔しない就活”のための企画
私たちは就活に関する情報を発信・共有することで就活を身近に感じ、学生時代に行いたいことを明確にしたり、自分の足りないところや強みなどを発見したりしてもらうということを目的に、「後悔しない就活のために!」というテーマで2つの企画を開催することにした。1つ目は「マイナビ講座」、2つ目は「先輩方との座談会」である。マイナビ講座には、株式会社マイナビの講師にお越しいただき、就活の流れ、企業が求める人材、学生のうちにやっておくべきことなど就活の基礎に関することを詳しく教えていただいた。先輩方との座談会には、内定が決まっている3名の先輩方にお越しいただき、トークセッション形式で、就職先の決め方や就活のためにしておいてよかったこと、苦労や後悔したこと、それを踏まえてのアドバイスなどについてお話ししていただいた。準備として、私たち学生委員はマイナビ講座チームと先輩方との座談会チームの2つのグループに分かれ、講師への依頼や学生への告知、当日の流れや動きを決めリハーサルなどを慎重に行った。質疑応答では想像以上にたくさんの参加学生からの質問があがり、皆がやはり就活に関して恐怖や不安な思いを抱いていると感じると同時に、特に知りたい観点は何かということも分析することができ新たな発見になった。
企画後、参加者に答えていただいた事後アンケートから、就活に対してのイメージが明確になり不安が解消された学生が多くいたことが分かり、どちらの企画も就活について不安を抱える学生のためになる機会にすることができたと思う。また、当日参加できなかった方向けに2つの企画のまとめ資料を作成し、校内に掲示したり学内メールで配信したりした。下に掲載しているのでぜひご覧いただきたい。
(環境科学科2年 山内胡桃/福岡市立福翔高等学校出身)
自分にできることを探して
私が学生委員のことを知ったのは、入学してすぐの新入生オリエンテーションで行われていたブースガイダンスである。「学生委員」と聞いて真っ先に思い浮かんだことは「大変そう。自分には難しいだろうな」というマイナスなイメージであった。しかし、それと同時に「やってみようかな」という気持ちも芽生えていた。というのも、大学に入学したら自分の苦手から目を背けないようにしようと一つの目標を立てていたからである。自分は人前に立つことや、大勢の人の中で意見を言うことが苦手で、そのことで今までに思い残すことが多くあった。「もっといろんなことに挑戦しておけばよかった」そう思った時には後悔しか残らないということを、身をもって知っていた。そのため、この学生委員の活動の場で「自分の弱いところに真っ向からぶつかるぞ」という意気込みで参加を決意した。せっかくならば今年初めて発足されたキャリア支援部会に所属し、一から学生で企画や活動を創り上げるという貴重な経験をしてみたいと思い、キャリア支援部会を迷わず選んだ。
そして、先ほど述べた弱みは、学生委員の活動を通して私にできないことよりも、できることを教えてくれる大事なものとなる。
最初の対面での学生委員の「キックオフセッション」で、「リーダーシップ」について学び、深く考える機会があった。そこでリーダーシップというのは、ある少数のリーダーのような役割に就く人がチームを引っ張っていくときに発揮する力ではなく、誰もが発揮できるものだということを学んだ。私は今まで人前に立てない自分に対して劣等感を抱き、否定的な意見を持っていたが、リーダーシップについて学んだ時に初めて自分の弱みに少し向き合うことができた。「私は相手に意見を伝えることが苦手」ということを一度肯定し、「じゃあ自分にできることは何か」を考えることができたのである。視点を変えれば、それはもうできることが山のように見えてきた。自分は聞くことが得意であると気づいたため、わからないところは積極的に先輩方に質問をし、先輩方の着眼点や考え方など新しいことをたくさん学び、どんどん自分の中に浸透させていった。
学んだことで吸収した新しい物事の捉え方は私に自信と行動力をもたらしてくれた。苦手なことを潰そうとするよりも、できることから実践したことで苦手な部分を補う自分の強みを新たに見つけることができたのだ。そしてその強みが自己肯定感の向上につながり、苦手なことも挑戦してみようと前向きに考えるきっかけにつながった。今後も、もっと自分のできないこと探しではなく、できること探しをし、チームの一員としてリーダーシップの力が発揮できるような行動を続けたい。
(国際教養学科1年 佐々木琴美/福岡県立八幡高等学校出身)
左上から順に
環境科学科2年 山内胡桃(福岡市立福翔高校)
国際教養学科2年 坂口綾音(福岡県立嘉穂高校)
国際教養学科2年 黒光千穂(福岡県立宗像高校)
食・健康学科2年 岩本和夏(福岡県立福岡高校)
国際教養学科2年 浅利汐(秋田県立大館鳳鳴高校)
左下から順に
国際教養学科1年 佐々木琴美(福岡県立八幡高校)
国際教養学科1年 畑風歌(福岡県立福岡高校)
国際教養学科2年 永野涼(福岡県立筑紫丘高校)
環境科学科1年 庭田萌乃(福岡県立筑紫丘高校)
(2022年度執筆)