もっと自由に、「正解」の枠を超えて考える

「カタカタ」の開催

 2021年7月17日(土)、オンラインで「カタカタ」を実施しました。カタカタとは、社会課題について普通に、気軽に語り合える場をつくりたいという想いから、2020年度3Qの「地域共創論」という授業の履修生によって、”カタ”オサコーヒーで”カタ”りあうということで、立ち上がったものです。同授業でコラボをしてくださったカフェ・KATAOSA COFFEE(大学から徒歩10分、御島崎団地商店街) 、あるいは学内で、社会課題を扱う映像を視聴し、語り合う活動を行ってきました。

 今年度の3月・4月、参加者としてカタカタに参加をした私は、今回、企画・運営を行いました。当日は、自分の持つ「ステレオタイプ」に気づくために、場所という条件だけで架空の人物のプロフィールを作成するアクティビティを行い、「ステレオタイプ」や「偏見」、「差別」あるいは差別の一種である「マイクロアグレッション」というような用語や概念を検討し、「映画『ハーフ』予告編 Hafu: the mixed-race experience in Japan [Official Trailer]」という映像を視聴し、それらについて、運営メンバーを含めた9名で語り合いました。

「枠にとらわれていた自分」の発見

イベント当日に使用したスライドの一部です。差別、偏見、ステレオタイプなどの用語や概念を整理しました。

 今回企画をしていくうえでの一番の発見は、自分がいかに「正解」という枠にとらわれていたかということです。

 カタカタのビジョンを作っていく中で、「なぜ社会課題について考えたいと思うのか?」という問いに向き合ってきました。運営メンバーは、社会課題について考えることが、よりよく思考することにつながる、よりよく生きることにつながるといった想いを持っていました。しかし、よい・悪いの感じ方は人それぞれで、私たちの想いが誰にとっても「正解」にはならないことを気にして、「考える視野を広げるために、社会と自分を結び付け、学生が自然に語り合って思考する福女大を目指す」という総花的なビジョンを作成しました。

 しかし、地域共創論担当教員であり、カタカタにずっと伴走してくださっている和栗先生とお話していくうちに、「私たちの企画なのだから、私たちの想いをもっと表していいんだ!」ということに気づきました。このとき、高校までの勉強で求められていたような他者の「正解」を、「誰にとっても正解にしたい」と、求めてしまっていた自分に驚きました。その後、再度運営メンバーと、自分たちの持つ想いを引っ張り出し、最終的には「自分がありたい姿を追求するために、社会と自分を結び付け、自然に語り合って思考する福女大を目指す」というビジョンを描きました。自分たちの想いを明確化していくことで、はじめより自由に、枠にとらわれず考えられました。もっと自由に考えられるように、今後は自分がとらわれている枠組みを認識し、それに対する自分のありかたに向き合っていきたいです。

今後のカタカタ

 「地域共創論」から生まれながらも、その後は授業とは関係なく、有志の学生が集まり、話し合いを重ねて運営されてきたカタカタ。今回の企画には、私自身の、2020年度1・3Q「英語で学ぶリーダーシップ」や2021年度1Q「企画作りの基礎」という授業での学びも活かされました。授業でないことにここまでの時間やエネルギーを割くことは初めてでした。そうできることは、実は、教職員の方々やKATAOSA COFFEEの萬野貴博さん、映像を提供して下さった株式会社ティーアンドエスの大屋さんといった方々のサポートに支えられていることも再認識しました。

 今後は、他の学内の企画とのコラボや、映像を視聴するだけでなくゲスト講師を招きお話を伺うなど、活動内容をさらに発展させていきたいと考えています。扱うトピック、またはカタカタ自体に興味を持った方は、参加者として語り合う楽しさ、あるいは運営メンバーとして企画を作る面白さを、ぜひ体感してみてください。

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国際教養学科2年 松島 海咲

福岡県立福岡高等学校出身

1年生の時に「英語で学ぶリーダーシップ」を履修したことをきっかけに、自分自身を成長させる面白さ、楽しさを知ることができ、学内にたくさんある学びの場に飛び込むようになりました。現在は、JD-Mates Fresh、学生委員の活動に参加しています。福女大は、自分自身を成長させられるチャンスがたくさん用意されている、とても充実していて素敵な環境です。ぜひ皆さんが、この環境を活かして、大学での学びを楽しめることを願っています。

(※2021年執筆)

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