「英語で学ぶリーダーシップ」授業で学び、学内発信の企画に挑戦。学年も性格も違うメンバーはなかなかエンジン全開にならなかったが、挑戦を通じて変わり始めた。「このくらいでいいや」からの「もっとやりたい」は現在進行形。
※こちらの記事は『私のリーダーシップ』ジャーニー2024で紹介した内容の一つのノーカット版です。
自分ができることから
【Yuna】授業を受ける前は自分のスタンプとかありがとうという言葉に意味があると思っていなかったんだよね、むしろ読ませる労力をかけさせてごめんって感じてた(笑)。意味を感じていなかったからこそ感謝することに義務感を感じてて、ありがとうとかをグループラインに送ることで会話の流れを止めて申し訳なく思ってたんだよね。LINEのいいねに意味を感じていなかった。
でも授業で企画をやったことで、グループLINEで返信が必要じゃなくてもリアクションをもらうとホッとして助かるということに気付いてから、積極的にメンバーの発言にリアクションして、ありがとうと伝えるようになったよ。履修生と企画に取り組む中で、自分の行動が迷惑かけていないか、チームのためになっているか不安になった時に、その大切さに気づけた。些細な行動でもチームの連携を強めることでリーダーシップ(以下、LSという。)に繋がるし、立場は関係ないと知ったよね。大それたことをしようとせずに自分に出来ることからすればいいんだ!と思った。
【Aya】私は戦国武将的な熱いリーダー像を持ってたけど…背伸びしすぎると、リーダーをやるのも、LS行動も、やらなきゃいけないしんどいことになっちゃう気がするから...。
【Nono】そうね。K&P(※1)のLSを知る前は無意識にリーダーと役職が結びついてた。私は委員会みたいに役職を得て活動することが多かったからかな。学校にK&Pの定義するLSはなかったのかも。
【Miku】少しリーダーの捉え方が違うね!
【Yuna】たしかに!私は生徒会とか委員会とか役職のある立場になったことないから、リーダーやってる人すごいなって他人事だった。
【Miku】LSは役職のある人たちが先天的に持っている能力だと...。
【Yuna】そういう人が役職としてリーダーに選ばれると思ってた!
【Aya】でも、みんなが持ってるものなんだよって授業で聞いて、え?どういうこと?ってなったなー。
【一同】うんうん。
(※1)K&Pはリーダーシップ研究者のKouzes & Posner。
自分を動かす
【Yuna】他に授業を受けてみて何か変わったことはある?
【Miku】私は、“セルフリーダーシップ(※2)”という言葉を初めて知って。リーダーは他人事だ、と思ってたけど自分にも少し関係があるんじゃ...?と感じたんだよね。LSは人と人がいるからこそ成り立つものだと思ってたけど、自分に対して発揮できるんだって知れた。そもそも、自分で自分を導くこと自体をLSだと思ってなかったし。
【Nono】そう!学校にありがちな「リーダー=役職だからLS=引っ張る」とは違う!
【Miku】今までは大学のメールも自分に関係なさそう、重要そうじゃない、と思ったら読んでなかったし、イベントやセミナーにも参加してなかったんだよねー。でも、留学とか、就職とか将来に関して先が見えず、これからどうしたらいいかっていう漠然とした不安があって。そんな中、授業を履修して「自分を動かすのは自分だ、自分で動かそう」と思って、まずは、情報を知るためにメールに目を通したり、学内でのイベントに参加したりするようになったよ。イベントは名前だけ聞いたら場違い感がすごいものもあるけど、何か一つでも持ち帰れたらという気持ちで臨んでて。授業を通して知らないことを知る大切さ、面白さも知れたかも。知りたい!という気持ちが高まって、先生に本を借りに行った!
【Yuna】Self-development(※3)だね!
【Nono】私は他人ありきで“自分”を捉えていたことに気づいたかな。例えば、久しぶりに地元に帰ると、居るだけで家族に喜んでもらえるから、I matter(私は重要だ)と感じるのね。それは周りの反応があるから。でもLSの概念では、そもそもYou matter(あなたの存在は重要だ)だから、一人一人が影響を与える存在だって。それを知って他者の反応を待つ受け身な自分に気付けたし、じゃあ自分は自分で動かせるものだから、私もinitiative(※4)とれるよねと思えた。そしたら自分のやりたい!に近づくし、チームも動きやすくなるし。だからこれからはもっとファーストペンギン(※5)やっていきたい!
【Miku】すごい!考え方が変わって、行動に移してる!
(※2)セルフリーダーシップは、自分に対して発揮するリーダーシップのこと。
(※3)「Leadership development is self-development. (リーダーシップ開発とは自分を育てること)」は、Kouzes & Posner (2013)による大学生向けのリーダーシップの8つのキー概念のひとつ。授業の発信企画に取り組む中で、各メンバーが自分にできることからやっていき、お互いを引っ張っていきました。リーダーシップは、役職についている人、才能やカリスマ性のある人だけが発揮するものではなく、全ての人が些細なことを行うことから発揮できるものだと実感しました。
(※4)nitiativeは直訳すると、「率先、第一歩」。チームのメンバー同士が様子を伺ってことが進まないときなどに自分から行動を起こすことで、メンバーが動きやすくなるということに、授業での発信企画に取り組んでいく中で気づきました。
(※5)ファーストペンギンは、魚を求めて群れの中から最初に海に飛び込む果敢なペンギンを指します。授業では、率先して行動を起こす人のことをファーストペンギンと言っていました。
お互いを引っ張りあえるのが仲間
【Aya】私はこの授業をとってみて、新しい"仲間”の形に出会えた気がする。
【Yuna】どういうこと?
【Aya】今までは、私が役職のある立場にいたとき、賛同してついてきてくれる、一緒に頑張るっていうのが”仲間”だった。だから、できるだけ良いところ見せなきゃっていう思いも強くて、リーダーってしんどいなって思ってた。でも今回の授業では、役職的なリーダーはいないからこそ、それぞれがお互いを引っ張りあうように行動してたなーって。
【Nono】1人が引っ張るんじゃなくてeveryone’s business(※6)だったってことだね。
【Aya】そう、その時に、なんだ、これが"仲間”じゃん、誰か1人が頑張る必要ないんだって気づいた。それに、この授業では、今までと違って、自分のできないところも見せられたし、相手との熱量の差に気づいた時、気持ちに素直に反応して、ムカつく!って思ったりもできた。こんな風に、良いところだけを見せる必要はない、お互いが引っ張り合えれば成長できるって”仲間”に対して考えられるようになった!
【Nono】授業やチームに対する気持ちを伝え合ったり褒め合ったり、感情を見せ合うことでメンバーがだんだん生き生きしだしたよね!だから余計に「自分まだまだやれる!」と思った。
(※6)「Leadership is everyone’s business. (リーダーシップは誰にとっても自分ごと)」も、Kouzes & Posner (2013)による大学生向けのリーダーシップの8つのキー概念のひとつ。この概念を学ぶ前は、リーダーシップは就活のセミナーなどでよく謳われている表層的なスキルというイメージを持っていて、リーダーシップと自己の成長(self-development)が繋がっていませんでした。しかし、他者と関わる過程(お互いに影響を与えあうリーダーシッププロセス)で、どう行動していけば良いのか考え続けていくうちに、自分から行動を起こすことや、自分の言動に責任を持つことの重要性などを身をもって感じ、このような1つ1つの発見が自己の成長に繋がっていると実感しています。
もっとやりたい
【Miku】みんな成長できたから、ここで終わるのはもったいない!
【Yuna】まだやれるってわかったから、もっとこのメンバーで色々なことに取り組んでいきたいね。
【Aya】この授業だけで終わりたくない、”仲間”との関わりも。学んで、実際にやってみて、自分のリーダーシップってこういうものだって言えるようになりたいな。
【Nono】まさにon-going process(※7)だね!
To be continued…
(私たちの学びは続く)
(※7)「Learning to lead is an on-going process. (リーダーシップの学びは常に起こっている)」もまた、Kouzes & Posner (2013)による大学生向けのリーダーシップの8つのキー概念のひとつ。リーダーシップは数学などの理系科目と違い、1つの正解がなく、常に模索が続きます。昨今私たちZ世代がコスパ、タイパ重視の世代と言われていますが、情熱のある昭和的な先生から追い風をもらい、効率ばかり重視せず、on-going(常に・継続的に)仲間と関わり合い、一緒に成長していきたい、ということです。
国際教養学科3年 梅木 乃々佳(Nono)
現在は研修でドイツにいます。13歳のホストファミリーのexpressiveさに自己表現の意味を感じ、また自分次第で出会いの数も経験も大きく変わると実感しています。
浪人して大学生になったからこそ充実させたくて、ワクワクを感じたら飛び込むことにしていますが、まだまだ受け身な自分に多々モヤモヤが。参加するだけでなく、まず自分が即座に動けるように加速したいです。
(福岡県立門司学園高等学校出身)
国際教養学科2年 大亀 彩花(Aya)
リーダーシップを授業で学ぶってどういうことだ...?という疑問が私の学びの始まりでした。新しいことに挑戦したい気持ちはありつつも、なかなか飛び込む勇気はない。そんな私ですが、授業を通して、学んだことや自分について、自分の言葉で紡ごうと努力している仲間に出会い、たくさんの刺激を受けました。出会った仲間との繋がりを大切にしながら、まだまだ私は成長途中だと信じて、たくさんのことに挑戦していきたいです。
(広島市立基町高等学校出身)
国際教養学科3年 三宅 佑奈(Yuna)
リーダーシップ学習を通じ、成長できる自分を信じて挑戦することの大切さ、楽しさに気づき、まだまだ怖がりな自分と戦い中の三宅佑奈です。春休みには初海外でオーストラリアに行き、WWOOFでホームステイをしました。これからは保身に走らず様々なことに積極的に取り組んでいきたいです。
(福岡県立小倉高等学校出身)
国際教養学科2年 上村 明空(Miku)
何をしたいかもわからず大学に入学し、まだまだ手探りな状態ですが、春休みには山口県岩国市の堀江さん家にお邪魔して生活を共にしながら、農業のお手伝いさせていただきました。これから自分で自分を引っ張って色々なことに挑戦し、「上村明空」という人を見つけていきたいです。
(福岡県立福岡高等学校出身)
(※2023年度執筆)