「なりたい自分」について考える
私が学生委員に立候補したきっかけは、「なりたい自分」について考えたことでした。
私は今、体験学習の「スリランカ Exploring “development” プログラム」を履修しているのですが、私が福女大に入学した当初の4月、プログラムの履修を決める時期には様々な葛藤がありました。
その葛藤の中で、自分はどんな姿でありたいのか、「なりたい自分」について考えた時のこと、当時の私には、苦手で「できない」ことが多くあり、それを「できる」ようになっていく自分になりたいという思いが、根本にあることに気付きました。
そして、自分にとっては未知な「『自分色』のリーダーシップを見つける」という学生委員の方針に惹かれ、やってみたいと思ったのです。学生委員になったことで、様々な機会に恵まれ、新たな学びに考えさせられることが多くあります。
「リード・ザ・セルフ」とは何か
今回は、学外のゲストをお呼びするトークセッションに参加しました。現在フリーアナウンサーとして活躍している角田華子さんを迎え、「リード・ザ・セルフ」という概念を学びつつ角田さんのキャリアについて知ることができました。
まず冒頭で和栗先生から、「リーダーシップの旅:見えないものを見る」(野田・金井、2007)から桃太郎の例を用いた「リード・ザ・セルフ」の概念について説明がありました。
その説明が具体的でとても印象的だったため、紹介します。
桃太郎は、3匹の動物を率いて鬼退治に行った、「リーダー」ともいえる人物ですが、では桃太郎はなぜ鬼退治に行くことにしたのでしょうか。昔話の中では、桃太郎は、鬼によって自分の住む村の人々が苦しめられていることを知り、自分が鬼を懲らしめて村の人々を救うのだと自分から行動に移しています。
ここから分かることは、桃太郎は最初からリーダーになろうと思っていたわけではなく、結果としてリーダーになっているということです。つまり、「自分はこう思う、こうしたい」という自身の生き方に基づいて、行動を起こすことが「リード・ザ・セルフ」、そしてその想いを自分だけでなく周りと共有し行動していくことがリーダーシップであるということです。自分がアクションを起こすことが、同じ想いを持つ周りの人を喚起することにつながり、それが、人をリードする「リード・ザ・ピープル」として発揮されます。そして、その次は社会をリードする「リード・ザ・ソサエティ」として発揮されるのです。このように行動し続けることで、リードする対象がより大きく、変化していきます。
「リード・ザ・セルフ」を駆り立てるものは人それぞれなのですが、私の場合は自分に対する悔しさです。学生委員に立候補した時や体験学習を履修した時、「できない」ということに悔しさを抱き「できる」ようにするために動いたのも、「リード・ザ・セルフ」、そして自分色のリーダーシップを見つける第一歩だったのだと気付きました。
苦手なことだからこそ挑戦する
そして、私は今回のセッションで、「リード・ザ・セルフ」の階段をもう一つ上がっていました。私にとって、この大学生活において今後も忘れないであろう、重要な瞬間です。
それは、最後の最後に自分から手を挙げ、角田さんへ自分の思いを伝えることと質問をすることができたことです。そんなことか、と思うかもしれませんが、私は公の場で自分の意見を発信するのが特に苦手なので、私にとってはすごく勇気がいることでした。
例えば、「感想はありますか?」「質問はありますか?」…話を真面目に聞いてはいるものの、この問いかけについて、私はいつも何も浮かばず頭が空っぽの状態、自分から手を挙げることはありませんでした。ましてや、多くの人の前となると、うまく話せなくて言葉に詰まってしまったらと想像してしまい尚更手を挙げることができませんでした。その原因は、私が今までの学生生活の中で、発言の機会に知らんふりをしていたからなのですが、それがどんなに勿体ないことだったか、最近痛感しています。
角田さんは「説得力を持ち誰かに影響を与える人になってほしい」と仰っていたのですが、影響力について考える中で、私が発言という苦手なことをやる勇気を持てた出来事と繋がりました。
それは、角田さんとお会いする前に行われた体験学習のゲストセッションにて、ある方のお話を聞いたことです。私はその方の経験談から、「自分も苦手なことでも苦手だからこそやるという思いで、とにかくやってみよう」と勇気が持て、大きな影響を受けました。そこから、私は、誰かに影響を与えるということは、自分の考えや経験を言葉にして人前で発信すること、それに説得力を持たせることは、自分の「できない」ことを「できる」ようにしたという事実だと考えました。
私ももっと自分を成長させて、影響力のある人になりたいと思っています。そのためには、「自分はこうありたい、こう考える」といった自分の軸を強く持っておきたいということも角田さんのお話から感じたことです。
このセッションを経て、そして記事を書く準備をする上で考え抜いたことで、自分が気付けていなかった多くの発見がありました。ここからは、それを実践していくことに意味があると思うので、自分の目の前に広がっている機会を大いに活用し、貪欲に様々なことに挑戦していきたいと思います。
食・健康学科1年 福島愛香
私は現在、体験学習の「スリランカ Exploring “development” プログラム」の履修と学生委員としての活動の他にも、学内・学外問わず様々な学びの場に参加してみています。
かねてから志望していた福女大で学べる今は、自分が決めたことをやり遂げたり目標を追い求めたりすることを通して自分を探求したいと思っています。福女大では、そのように自分が主体となって学べる機会が多くあり、例えば物事の些細なところに気が付きそこに疑問をもつことができるようになる等、様々な可能性を秘めていると思います。
私は、そのような能力をもって学生生活を送ることができれば、とてもかっこいいと思うし毎日を豊かにできるのではないかと考えています。なので、今、高校ではやれなかった自己探求を大学で実践し、「できない」ことを「できる」ようにするために奮闘している最中です。
大学で最後の学生生活、自分が学びたいことを学べるように、思い切って何でも挑戦しながら楽しむのも良いと思います!
(福岡県立鞍手高等学校出身)