失敗するかもしれない、を楽しむ

「学びのポトラック」

第3回学びのポトラックで使用したスライドの一部

 2021年5月20日、6月23日、7月15日の計3回、「学びのポトラック」が開催されました。「学びのポトラック」とは、先生や学生という立場、学部や学年を超えて、対等に「『学び』について学ぶ」場をつくってみよう、と立ち上げられたものです。現在、福岡女子大学・関西大学・京都産業大学・北九州市立大学の学生と教員がオンライン上で集い、1か月に1回のペースで行なっています。第1回は福女大生の発表、第2回は関大学生の発表、第3回は福女大と京産大の学生の共同運営で実施しました。

 第1回と第2回ではファシリテーター(参加者の活発な意見交換を促したり、意見の対立を調整したりすることでグループの目指すゴールの達成を支援する役割)を仕事としていらっしゃる稲葉久之さんが、話題提供者(会で議論するテーマを考え、提示する役割)を学生が務めていました。しかし、ファシリテーターも話題提供者も学生がやってみよう、となり、第3回ではファシリテーターを私が、話題提供者を京産大国際関係学部3年のSさんが務めました。当日は、①授業形態(講義、グループワーク、体験学習)によって培われる能力は何か②より学ぶためにはどのように授業に取り組めばよいか、の2つのテーマについてグループに分かれて話し合いました。

私に響いた言葉

第3回学びのポトラックの様子

 今回、私は第3回ポトラックの企画にあたり、より学びのある場を作りたいと思い、Slack(参加者同士で自由にコミュニケーションをとることができるビジネスチャットツール)に京産大Sさんと話しあったテーマ案を共有し、様々な人の意見を聞くようにしました。そのとき、京産大の三田貴先生から「思うようにやってみていい、失敗を恐れる必要は全くない」という言葉をいただきました。

 その言葉を聞いて、失敗していいからとにかくやってみよう、と思うようになり、第3回ポトラックではSpatialChatというツール(zoomの代わりとなるミーティングアプリ)を使ったり、その機能を活かした話し合いにしたりと、新しいやり方にチャレンジすることができました。私はこのツールを使用したことがなく不安だったのですが、参加者自身が簡単に場を移動できる点でzoomよりも自分たちがつくりたい場に合っていると考え、SpatialChatを使ってみよう、と敢えて挑戦することを決めました。

「失敗が怖い」から…

 私は昨年度、大学1年生の時に、体験学習の「スリランカ Exploring “development” プログラム」を履修していました。プログラム中、自分の思い通りにいかないことや自分ができていないことに気づくことが多々ありました。しかし、それらの失敗を経験したからこそ学ぶこともたくさんありました。今回のように「自分から場をつくる」という考えを知り、実践しようとするようになったのもスリランカプログラムでの経験がきっかけです。

 今までの経験から失敗から学ぶことがある、とわかっていたのにも関わらず、三田先生の言葉が私に響いたのは、実は私が失敗するのを必要以上に恐れているからだということに気づきました。

 スリランカプログラムの終盤、特にスリランカとのオンライン交流(2021年2月)や報告会準備を通して、「場をつくる」意識を持つようになりました。新年度の授業や学内のイベント等でも「場づくり」を意識していましたが、「ファシリテーター」という役割を担うのは初めてでした。実際に自分から場をつくったり、それによって失敗したりする経験がまだまだ少ないので、「失敗から学ぶことはたくさんある」とわかっていても「失敗するのは怖い」と感じているのだと思います。

 今回の経験とそのふりかえりを通じて、「失敗が怖い」と感じている自分を自覚しました。自覚できたからこそ、「失敗は怖いけどあまり思いつめる必要もないし、失敗してもいいからやってみよう!と動く方が楽しい」を忘れずに、次の機会へ飛び込んでいきたいと思っています。

チャレンジ!

 「失敗が怖い」と思うことはまだしばらく変えられないかもしれません。しかし、単に「怖い」と感じ何もしなくなる、あるいは、慣れている方法だけに固執するのではなく、「怖いけど、失敗してもいいからやってみよう」と思うことで、もっと挑戦できるようになるのではないかと思います。その挑戦は、ファシリテーターといった「役割」がない一参加者としても、質問をして場の進行を手助けしたり、グループ別の話し合いで多様な意見を受け留めたりするなど、様々な形があると思います。

 「初めて」に挑戦したり、以前失敗したことに再び取り組んだりすることは怖いと感じることはあると思います。しかし、「失敗が怖い」と感じている自分を受け留め、「失敗するかもしれなくて怖いけど、失敗してもいいからやってみようそこから学ぼう」という姿勢でいたいです。そしてこれを何度も繰り返していくことで、新しい発見や学びを得て少しずつ成長していけるのだと思っています。

 「学びのポトラック」に興味を持った方や自分もチャレンジしたい!という方。是非こちらに登録してください。登録することで、ポトラック開催のお知らせが届きます。
https://forms.gle/zYPDk8QQyeEW33H88
 

国際教養学科2年 冨永楓

大学1年生の時に「スリランカ Exploring “Development” プログラム」(体験学習)を履修し、「自分がどう在りたいか」(=どんな自分でいたいのか)を考える大切さ、「学ぶ」ことのおもしろさを実感しました。現在は、JD-Mates WJC、カタカタの運営に関わっています。大学生は自由な時間がたくさんある分、自分の活動によってどんどん成長できると思います。大学自体や学外での活動に参加でき、必要とあれば大学の先生や職員の方々からも支援してもらえる最高の期間ではないでしょうか。その分、自分から学びを得ようと動かないとただ時間が過ぎていくように思えます。挑戦・失敗からどんどん学べる大学生の「今だからこそ」を大切にしていこうと考えています。
 

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