固定観念からの脱却
私が学生委員になりたいと思ったのは、入学してすぐにあった学内ツアーがきっかけだった。学生委員のブースで紹介していた、「高校までとは違うことができる」という現役の学生委員の方の言葉に惹かれ、大学に入学したからには今までとは違うことがしてみたいと思った。また、キャリア支援部会に入りたいと思った理由は、数年後に始まる就職活動に先立って、まずは自分で福岡女子大学のキャリア支援について深く知っておきたいと思ったからだ。
実際に活動が始まると、まずその自由度に驚いたことを覚えている。“学生“委員というだけあって、自主的に自分たちの意思に基づいて活動内容を決められるという側面があるため、本格的に始動するには「新しくイベントを企画するのか」「既存のイベントへの参加促進をするのか」など活動方針を決める必要があった。最初から高校の自治体との違いに少し不安を感じたが、先輩の「楽しんで活動しよう」という言葉を聞いてこれからの期待が高まった。
私たちの部会は全部会の中では最も多い9人で、先輩6人に対し1年生は3人だった。思い返せば、その事実が私の学生委員としての活動にかなり影響を与えていたと思う。私は上級生や目上の方に対して意見を言ったり何かをしたりすることに遠慮してしまうところがあり、その遠慮がせっかくの自由度を自分で縛っていたように感じる。最初は自分で何かを発信するというよりも他の意見をどう思うかのフィードバックがメインだったと思うが、後にそのフィードバックも意見であったことに気が付いた。自分が苦手だと思い込んでいたことが、先輩に促されながらではあるものの苦手意識を持たずに少しずつ成長していたことに驚いた。「苦手」という固定観念、「後輩だから出すぎてはいけない」という自分の中の勝手な固定観念が自分の限界を決めていたのだ。このことに気づいてからは除々に自由度を高めていこうと努力しているが、すぐに今までの思い込みを転換するのはとても難しいと実感している。だから、これがこれからの一番の課題だと考えている。
そしてこれらの活動を通して見出した自分のリーダーシップは、客観的な視点から意見を還元し、固定観念よりも柔軟で自由な考え方でチームをサポートするということだ。この1年で多様な考えを持つ違う学年のメンバーの中で、自分がどうしたらチームの役に立ち、共同作業に参画できるかということを考えていたが、次年度からは、自分から意見を先立って発信したり、方向性について誘導できたりするような、積極性を鍛えていきたい。このリーダーシップを胸に、今後は受動的から主体的な行動力も身に付けて大学生活を送っていきたいと思う。
(国際教養学科1年 畑風歌/福岡県立福岡高等学校出身)
自分のリーダーシップとは
キャリア支援部会に入ったきっかけは大学1年生で学生委員を経験した際に、先輩方と意見交換しながら大学が行う活動に関わることの楽しさを学んだため2年生でも違う部署で新たな取り組みを行ってみたいと感じ、また今後必要となる「就活」についての学びを得られると思ったからだ。
当初、大学1年生で学生委員を経験した自分なら去年より積極的に学生委員の中で役割を果たし活動できるのではないかという自信があったが実際はとても苦戦した。というのも私は今回初めて新しい講座を開催することに携わった訳だが、チームのメンバーの中には既に私以上に福女大の既存のプログラムにいくつも参加している人がおり、自分の経験をもとに自分たちが学生としてどうキャリア支援部会に貢献するのか、学生側の意見をどのように生かすのがよいのか、新たに講座を開くことを提案する周囲の経験豊富なチームメンバーに圧倒されたからだ。私が思い描いていた役割をチームで果たせなかったとき、はじめて自分がこれまで担っていた活動や役割は主体的に動けていたのではなく誰かに「与えられたもの」であったのだと感じた。これまでは既に決められたレールに乗るだけで物事がスムーズに動いていたため気づけなかったが、この活動を通し常に自分は失敗することを恐れ判断することや発言することから逃げてばかりだと感じた。それと同時に自分がこのチームでできる役割とは何かを改めて考えるきっかけにもつながった。
今の自分がこのチームの中で発揮できるリーダーシップとは何か。その問いにぶつかったとき私は和栗先生が話すリーダーシップ最小3要素、目標共有、率先垂範、相互支援を思い返した。発言力や決断力を持つ者だけではなく、自分がチームで共有し合った目標を意識し、そのために他者に働きかけることができる人もリーダーシップであると知り、それが今の自分にできることではないかと思い行動した。とても小さなことであったかもしれないが参加できなかった人や発言しにくいなと感じている人に全体ではなくLINEで声を掛けることや、相手の意見を否定しないことや必ずしてくれたことに対し反応を示し、感謝を伝えるということを心がけながら活動することができた。そうすることで自分なりにチームに貢献できることを見出したように感じる。とはいっても、自分の課題である失敗を恐れ行動に移せないという課題は未だに克服できたとは言えない。だからこそ現在取り組んでいるサークル活動や課外活動、そして学校生活で一歩踏み出せる自分を日々模索していきたいと思う。
(国際教養学科2年 浅利汐/秋田県立大館鳳鳴高等学校出身)
将来に向けて
私は、中学生の時からの夢であった管理栄養士になるためにこの大学に入学した。1年次の授業で専門分野を学んできたが、専門分野以外にも将来管理栄養士として働くために、学生のうちにリーダーシップやコミュニケーションを学び、高めていく必要があることを教えていただいた。その能力を身に付けるにはどうしたら良いか悩んでいるときに、学生委員の活動を知った。それと同時に、興味のあった「就活」の事に関わるキャリア支援部会に今年度から学生が加わる事になったと知り、学生委員になることを決めた。
学生委員の活動を通して、リーダーシップはもちろんメールの作成方法やミーティングを通しての活動の進め方など様々なことを吸収することができた。その中でも最も印象に残った活動は、株式会社マイナビの方を招いたワークショップである。ワークショップを開催するにあたって、夏季休暇中に株式会社マイナビの方のお話を聞く機会があった。様々な質問をさせていただき、就活に向けて新たに何かを始めることも良いが、普段の生活を意識することで自分を高めていけることを知った。また、就活について知らなかったことについて多く学ぶことができ、数年後に就活を控えた福女大の1,2年生に発信したいと思うようになった。ワークショップ当日は、予想していた以上の学生の参加があった。準備を部会のみんなで頑張ってきたため、司会をしながら教室の席が埋まるところを見て、嬉しかったことが忘れられない出来事である。私は今まで、多くの人の前で発言する機会がなかったが、部会でのミーティングやワークショップを通じて、どのように発言したら自分の意見が伝わるかを意識するようになった。
また、学生委員の活動を通して、同級生のリーダーシップ力に圧倒された。人前で発言する際の自分の意見を伝える能力や全体を把握しまとめあげることなど同級生からも学ぶことが多くあった。このような活動をしていく中で、リーダーシップとは何か改めて考えてみた。私は、初めリーダーシップとは、チームをまとめ上げる力のことと考えていた。もちろん、その力もリーダーシップであるが、チームの人数が多い場合、全体の活動を把握し、チームの個人個人にアドバイスができる能力がリーダーシップだと感じた。
学生委員の活動を通して学んだリーダーシップ、コミュニケーション能力を、今後の学校生活、将来に活かしていきたい。
(食・健康学科2年 岩本和夏/福岡県立福岡高等学校出身)
左上から順に
環境科学科2年 山内胡桃(福岡市立福翔高校)
国際教養学科2年 坂口綾音(福岡県立嘉穂高校)
国際教養学科2年 黒光千穂(福岡県立宗像高校)
食・健康学科2年 岩本和夏(福岡県立福岡高校)
国際教養学科2年 浅利汐(秋田県立大館鳳鳴高校)
左下から順に
国際教養学科1年 佐々木琴美(福岡県立八幡高校)
国際教養学科1年 畑風歌(福岡県立福岡高校)
国際教養学科2年 永野涼(福岡県立筑紫丘高校)
環境科学科1年 庭田萌乃(福岡県立筑紫丘高校)
(2022年度執筆)