新入生の皆さんご入学おめでとうございます。
大学が始まり、皆さんワクワクしていることと思います。今日はそんな皆さんに、4/2(火)に行われた新入生オリエンテーションの準正課活動ブースのバタバタ度合いとふりかえりを伝えます。
今回準正課活動のブースを設けたのは、「私はリーダーに向いてない」冊子を配布しながら、新入生にリーダーシップを学べる環境・機会があることをお知らせしたいと思ったからです。当日は私を含め、冊子2023年度版そして2024度版に登場する人や準正課活動をしている人約20名で冊子を配布しました。結果、約240人の新入生に対して冊子を200部配布でき、準正課活動のみならず大学生活の相談にものることができました。ただ、その結果を生み出すための私の見通しの足りなさを痛感したのです。
私はこれまで学生生活で、いくつか企画を実施してきました。準正課活動のカタカタやリーダーシップ研修等です。事前準備や当日の進行を仲間と協力して行いました。今までの経験から、「今回の新入生オリエンテーションもなんとかなるでしょう!」という楽観的見通しから始まりました。
普段、企画を考える際はGISOVのフレームを使っています。GISOVとは、以下の通りです。
G→Goal(最終的に何を目指しているか。企画のベクトル・方向を決めるもの)
I→Issue(解決すべき課題。企画の意義を明確にするもの)
S→Solution(創意工夫で課題の解決策)
O→Operation(具体的な作業イメージ)
V→Value(あなただからこそ提供できる価値)
2021年度の国際文理学講究Ⅰ「企画づくりの基礎」でこの考え方を学び、企画の際には特にこれをふりかえるようにしています。
Goal | 『リーダーシップ』をあたりまえ・共通言語にする |
Issue | リーダーシップについて学べる機会や環境があることを、学生が十分に認識していない。よって、新入生にも伝わりづらい。 「リーダーシップ」に関する思い込み(人を引っ張る力のある人、役職のある人、責任を取る係など)が足枷となっている。 |
Solution | 4/2(月)の新入生オリエンテーションでブースを設置。 ふらっと立ち寄り、情報を得たり、リーダーシップについて語れるような場づくりを行う。 |
Operation | リーダーシップについて学べる場の周知のためにブースを設置する |
Value | 準正課を通してリーダーシップを学んできた学生たちだからこその、学生目線での直接新入生への働きかけが可能 |
このフレームに納めたことで、何となく方向性は見えたと当時の私は思っていました。実際、これだけ考えられたらどうにかなったのか?
・・・なりませんでした。
問題点①:Operationがふわっとしすぎている。
決まっているのは「リーダーシップについて学べる場の周知のためにブースを設置する」のみ。もっと具体的に詰めるために、想定すべきことはたくさんあります。
1年生に準正課について知ってもらうだけで十分なのか?ブースの形は?ホワイトボードは何枚いる?1年生は何時から構内ツアー開始?どんな経路で来る?まだまだ出てきますが、詳細に決めるべきことを事前準備で行えていませんでした。私の頭の中では、場所、雰囲気の想定ができていましたが、協力してくれる仲間たちには伝えておらず、決めて共有すべきことがすっかり抜けているのにも気づいていませんでした。
問題点②:自分でなんとかしようとしすぎた。
はじめ、「私一人でもなんとかなるでしょう!」という見通しを立てました。今までもいくつか企画をしてきた経験があったからです。ところが自分の春休みの予定と重なり、なかなか企画準備を進められず…。一人でやっていることへの不安と焦りでいっぱいで、「他の人に頼る」がすっぽ抜けており、自分でなんとかしなきゃ…に捉われていました。
ではこの問題点①と②を解決するには何が必要だったのか。
①はOperationを詰めることです。詰め方は、以下の通りです。(2021年度「企画づくりの基礎」より)
1.道筋を伝える。おおまかな仕事のステップの洗い出し
2.誰が何をするのか、具体的な役割と作業を伝える
3.企画段階で想像する出来上がりのイメージを伝える
4.スケジュール、とりかかる体制、かかるお金の必要な資源配分を伝える
今回は1.2.3を、自分の頭に留めず、文章にしてまとめて仲間と共有すれば、何をすべきか可視化できたはずです。
なぜ文章にしなかったのか。今までどうしてきたのかと考えて、気がつきました。今までの企画は、誰かとペアもしくは集団の中での役割を一部担っていて、運営仲間ともGISOVのすり合わせを徹底的にしていました。それに対して今回は私一人。目的もなんとなく、準備もなんとなく、なんとなくのミルフィーユで、結局直前にバタバタと準備になってしまいまいました。ミンナイツモアリガトネ…。
② は自分だけで運営ができるのか、友達に壁打ちしてもらうことが必要です。自分一人で想定できないなら、他の人に最初から相談すればいい。先ほども書いたように、幸い私には今まで一緒にやってきた友達がいます。自分で見えていないところや、誰にどの部分に関わってもらうかを一緒に考えること。今回はかなり直前に無理を言い、諸活動のため休学中の冨永楓さんに協力してもらいました。おかげでなんとか形になりました。
今回ブログを書くにあたり、かなり自分の「反省」っぽくなりました。これが大学のサイトにアップされるのか…リーダーシップの冊子であんなに意気揚々とリーダーシップについて語っているのに失敗度合いを広く知られるのか…という気持ちもありました。ですが、この文章を読んで、一人でも「企画を考える時はこうやって考えるんだ」「自分も変われそう!」など少しでも感じてもらえればとの思いで書きました。
私は「意識高いね」「すごいね」と言われることがあるのですが、常に「すごい人」ではないということが伝わるでしょうか。リーダーシップは特別な能力ではなく、やってみて、失敗して、そんな自分をきちんと見つめて、また新たに挑戦する過程で発揮されるものです。誰でも失敗するし、「できなかったな」と思うし、落ち込むこともあります。でも、それで終わるのではなく、落ち込んだからまた立ち上がるにはどうしたらいいだろう、今の自分は何ができるだろう、何をしたいだろう、の過程を楽しみながら繰り返すことが大事だと思います。これが伝われば、このブログは大成功です。これを伝えられるように失敗をわざわざ大学のオフィシャルブログに書いたのです。
ふりかえりは次に生かしてこそ意味がある!ので、まだまだ私もチャレンジし続けます!
環境科学科4年 坪根由依
現在、卒論とSense of Natureでの子どもキャンプのインターン真っ最中の坪根由依です。教員になる予定はなく、教職も取っていませんが、福女大で「リーダーシップ」を学び、人を創っていくプロセスとして「教育」に興味を持ち、大学を1年間休学、島根県海士町や岩手県大槌町で小中高生に関わるインターンをしていました。誰に対しても「その人」の性格を形づくるのは何なんだろう?「その人」は何が原動力なんだろう?と興味津々で聴きがちです。インタビューするのが得意かもしれません。
(福岡県立福岡高等高校出身)
(※2024年度執筆)