キャリア支援部会としての役目を果たすために
キャリア支援部会は、「学生のキャリア形成、社会へと羽ばたく力を身に付けることを支援」をモットーに、キャリア教育の実施や就職活動の支援を行っている組織だ。そこに学生委員として立候補した4年生1人、3年生2人、2年生4人、1年生1人が集まり、今年の春から11月のイベント実施まで長期間にわたって活動をしてきた。はじめに私たちが悩んだのは、存在意義だ。就職活動の経験がなく、就活やキャリア形成についての知識がほとんどない私たちがこの部会で達成できることは何かや、既存の講座や教職員の方々が既に提供している情報以外の新たな観点でできることは何かについて真剣に話し合った。そして、学生目線で考えたときに、福女大は留学に興味がある人が多く、就活を不安視する人が多いという意見がでた。就活と留学を掛け合わせたイベントを実施し「就活と留学に対して不安を感じている学生に情報を発信し、留学と就活を身近に感じてもらう」「自分の将来を築いていくきっかけを提供する」ことを目的に、キャリア支援部会での活動をスタートさせた。
私はこの活動を通して、学生委員としての自覚を持ち、最後まで責任をもって取り組むことの大切さを学んだ。企画の準備がスタートした夏休み、私たちは人数が多い分、ミーティングの日程が合わせられなかったり、取り組みに対する熱量の差があったりしたため、チームの足並みがそろっていなかった。かくいう私も、学生委員以外の活動が忙しく、少しキャリア支援部会の活動に対してモチベーションが低下していたように感じる。そこで、なぜ学生委員に応募したのか、学生委員になってどのような人になりたいのか、など自問自答を繰り返した。そうすることで、活動後のイメージ像が明確になり、学生委員としての自覚が芽生え始めたような気がする。忙しいと優先順位をきちんと決めて行動しなければいけない場面が増えてしまうが、忙しさを言い訳にすることなく、自分からやると決めたことは最後まで責任を持って本気でやり通すことの重要性を再確認した。
(環境科学科2年 首藤未来(学校法人比治山学園 比治山女子高等学校))
活動内容と講座企画
私たちは 6月から11月にかけてキャリア支援部会が主催するイベントの補助や学生目線での意見交換、それに加えて新たな講座の企画、実施を行った。各月ごとの活動としては、6月に株式会社マイナビさんをお招きした講座の手伝い、7,8月には年間の活動計画の決定、留学と就活を掛け合わせた講座の企画、9、10月には企画書の完成、2度の講座に向けてのリハーサル、11月には準備を重ねてきた講座の実施をした。その他にも月1回開催される部会報告会で活動を報告をするための定例会を毎月開催するなど年間を通してタイトなスケジュールで動いてきた。
また特に力を入れて私たちが取り組んだことは新講座の企画だ。講座名を「ここでしか聞けないかも!?留学経験者から聞く就活の話」とし、実際に留学を経験した後に企業からの内定を勝ち取った3名の先輩方に経験をお話していただく講座を企画した。先輩方には事前に準備していただいたスライドを使用し、留学前後の就活や将来に対する考えや変化、留学と就活スケジュールや苦労したことなど、中々普段は聞くことができない貴重な話をしてもらい不安を抱えた学生にとって有意義な時間にすることができたと感じる。また、講座では就活や留学方法についての基本情報の説明や、アウトプットをする参加者同士のディスカッションタイムなども組み込んだ。当日は1年生を中心とする28名の学生が参加してくれ、終始メモを取る様子が見られたり、質問も時間が足りないほど上がるなど有意義な時間にすることができた。ゲストや教職員そして学生委員で多くの時間を費やし準備を重ねてきたことで私たちが掲げた、講座の目的である参加者の将来設計を明確にすることや将来の選択肢を増やすきっかけにすることができたと実感している。今後、より多くの参加者が前向きに将来設計や留学に向けて行動を起こしてほしいと切に願う。そして来年度以降もこのような留学と就活を掛け合わせた活動を福女大で増やしていけるよう協力したいと強く思う。
私は、この講座を通して達成感を得られたと共に、キャリア支援部会のチームとしての成長も感じることができた。キャリア支援部会の学生同士のスケジュールが合わず、集まって話し合いができる機会が少ない中、どの様に役割分担をすれば講座の準備が進むのか、どうすれば話し合いの内容を分かりやすく共有できるのかなど悩みが生じ、チームで何かをやり遂げることの難しさを感じた。しかし、講座の準備が進むにつれ、お互いに助け合いながら各々がその場その場で自分にできることを考え行動できた。この講座を成功させることができ、学生委員の活動に対してやりがいを感じることができたと思う。
(国際教養学科2年 上田鈴蘭(広島県立安古市高等学校))
4年生だからこそ学んだこと
私は学生委員の中では珍しく、4年生になってから活動を始めた。理由は私が実際に就活を通して学んだことを後輩に伝えたいと思ったからだ。私は就活を通して、「早めに動くことの大切さ」を学んだ。それをできるだけ多くの後輩に伝えられる機会はないかと思っていた時に、キャリア支援部会学生委員の募集を見かけ、応募した。メンバーは後輩がほとんどだったが、だからこそ感じている就活への不安やイベントの必要性に対する意見は新鮮だった。そんなみんなの様子を見て、就活を実際に経験した私だからこそ出せる意見を出して、みんなが考えるイベントを成功に導いていきたいと思った。
今年度キャリア支援部会で企画した、留学と就活を結びつけたイベントを通して、企画することの面白さを感じた。私は以前、学生委員の活動とは別に大学でイベントを企画する機会があった。その時私はリーダーを務めたが、うまく回すことができず、納得のいくイベントの結果に持っていくことができず苦い思いをした経験がある。この経験から、イベントを企画して正直うまくいくのか不安だった。しかし以前とは違い、キャリア支援部会のみんなはみんなで協力しようという動きがあり、リーダー1人で回していた当時の私とは異なる活動の様子をみて、みんなで協力することで成功する可能性が高くなることを学んだ。4年生ということもあり、卒業研究などで忙しく任せてしまう時が何度かあったが、そこも協力してカバーしてくれて本当に助かった。みんなで意見を出し合いながら進めていくのは楽しかった。
イベント当日はかなりの盛り上がりをみせ、イベントに対する感謝の言葉も見受けられ、後輩たちの役に少しでも立てたことが嬉しかった。
(環境科学科4年 恵良 萌(福岡県立明善高等学校))
3年目の学生委員~気づきと成長~
私はこの1年、誰よりも熱い思いを持って学生委員の活動に打ち込んできたという自負がある。昨年度までは誰かの声掛けや意見に同調するだけで終わってしまっていた自分を今年こそは自分がチームの中で影響力を与える存在でいたい、同時に同じ部会のメンバーにとって、悩みつつも成長できる1年間にしてもらうために時には大変なことでもやり遂げられるようにサポートしたいという想いを胸に活動してきた。
私はこれまで学生委員として3年間活動してきた。1年生では学生の意見を反映させるためにアンケート回答の呼びかけ広報を行う学生委員調査部会、2、3年生では学生のキャリア支援や相談に取り組むキャリア支援部会に所属し活動してきた。同じ学生委員でも所属する部会や構成されるメンバーによって行う活動や役割、得られる情報は異なることに今では面白味を感じているが、さらに環境が変わることでどの年も自分には足りないものに気づかせてくれる時間であり自分を成長させてくれる期間だったとも感じている。1年目で感じた自分の不足部分は独創性や主体性、2年目で感じたこともまた主体性、積極性だった。特にキャリア支援部会ではそれを強く感じさせられることが多く、そんな自分を少しでも変えたいと思い、キャリア支援部会に2度目の挑戦を決めた。
今年度の私たちの活動のメインは留学が多いという特性を持つ福女大で、もっと就活やキャリアについて事前に考えることが出来る講座があれば良いのではないかという考えのもと、「留学と就活」を掛け合わせた講座を企画し、11月に実施したことだ。講座当日に参加した学生の多くが熱心にメモを取ってくれていたり、講座が終わってからも登壇して下さった先輩方に熱心に話を聞きに行く様子も見られたり、とても充実した時間に出来たと改めて準備を頑張ってきた仲間や教職員の皆さん、そして関わった全ての人に感謝したいと思った。
準備期間のことを振り返ると、やはり活動を本格的に始めた8月ごろはチームの人数が多い分、ミーティングの日程が合わせられず取り組みに対する熱量も異なり、上辺だけのチームであったと思う。だからこそ私はメンバーがメンバーのことを知るということから始めた。それぞれがこの学生委員になろうと思った理由や現在取り組んでいる活動について紹介し合ったところ、グッと距離感が近くなったように感じた。とはいっても、話し合いの中で息詰まることはその後も何度もあり、かなり自分が前にでて発言していることで他のメンバーが発言しにくくなっているなと感じる場面も何度もあった。気軽に話してもいい、そんな雰囲気を創り出すことが最終的には出来なかった点が私にとってずっと気がかりではあったが、見ないふりをしていた。しかし12/7に行われた学生委員の中間チェックインの中で和栗先生が「心理的安全性を生み出す心理的柔軟性は行動に表れる。」ということを教えて下さった。さらに心理的安全性を導くための2つの考え方のうち1つは『自分自身を「問題」の中に入れる』、2つ目は『自分自身の「行動」を振り返る』であった。これを聞いたとき、他のメンバーが上手く動けていない時、自分事として働きかけていただろうか、参加できないメンバーに配慮した進行が出来ていただろうか、周囲や環境のせいにして自分の足りなさに目を向けられていただろうか、そう考えた時自分の未熟さに改めて気づかされた。広い視野で活動することで自分の目指す本当の意味での「周囲に影響を与えられるリーダー」なのではないか3年目の学生委員の活動でもまた自分の不足部分を感じることで今後の活動にも生かすことが出来る学びを得ることが出来た。
私はこの学生委員を続ける中で何度も失敗したし、自分が考えていたことが通らなかったり、上手く進めることができない自分という壁に何度もぶつかった。しかし振り返ってみるとそういった困難が自分を奮い立たせ、どうすれば上手くいくだろうと自分に向き合い試行錯誤することで、向き合い方のマインドや学んだことを他の活動でも活かすことが出来るようになったと感じている。
改めてこれまで私の学生委員としての活動に協力して下さった学生委員の皆さん、教職員の皆さん、イベントに参加して下さった学生の皆さんに3年間分の感謝の気持ちを伝えたいと思う。かけがえのない時間をありがとうございました。
(国際教養学科3年 浅利 汐(秋田県立大館鳳鳴高等学校))